研修医向け記事

研修医が進路を決める時に考慮すべき『専門性』という言葉の意味について

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こんにちは、メノーです。

 

秋ごろになると初期研修医たちがいよいよ進路を決める時期で何かとソワソワしていますね。

 

医者になる前から決まっている人もいれば、ぎりぎりまで決まらない人もいるでしょう。

 

 

自分は後期研修医の科を決める時に『総合内科』という科を選択しました。

 

そんな自分に対して、当時よく同期や上級医から

 

『そんな専門もないようなふわっとした科に行って不安じゃないの?』

 

と心配される事が多く、今でも久々に会った友人に心配されます。(笑)

 

しかし、心配してもらえるのは有難いのですが、僕から言わせると、

 

『何がそんなに心配なの?』と思ってしまうのです...

 

 

研修医の皆さんが科を決める時にはきっと色んな意見を周りの人間は言ってきます。

 

人間はわかりやすい、目に見えるものがあるものを信用する傾向にあります。

 

なので例えば手術ができたり、内視鏡ができたりといった『専門技術』の有る方が精神的に安定する事に関しては理解できなくもありません。

 

 

ただそういった科と迷っている研修医に話を聞くとまず『専門』の定義も曖昧ですし、何に対する不安なのかもとても漠然としています。

 

最終的にはやりたい事をやれば良いというのが極論なのですが、様々な要素を含めて考えると単純にやりたい事をするのにも不安がつきまとうものです。

 

特に女性医師は。

 

まあ、何事も小難しく考えすぎると人生疲れちゃうのでそんななんでもかんでも深く考えなくていいとは思うんですけどね(笑)

 

今回は医師としての『専門』の定義からもう一度考えてみて、研修医に向けて何か良いアドバイスができたらいいなと思います。

 

医者にとっての『専門』とは?

 

 

まず医者にとっての専門ってなんでしょうか?

 

そもそも医者は現行の制度では2年間の初期臨床研修医を修了すると多くの場合専門『科』の選択を迫られます。

 

なので現行の制度に乗っかった全ての医者は何かしらの専門の医者になる、という事になります。少なくとも名目上は。

 

そしてその専門をある視点で見て2つのパターンに分ける事ができます。

 

①独自の手技がある、またはある特定の臓器に特化して治療を行っていく科

②臓器横断的に、患者の全体を俯瞰して治療、診断する科

 

 

①は具体的には外科全般、消化器内科、循環器内科、眼科、皮膚科...

②は総合内科、感染症内科、救急科

などでしょうか。

 

 

おそらく研修医の皆さんの中での思い込みとして、

①に該当する科は無難、安全、といった先入観があるような気がします。

 

①に関しては病院において日常的に必要とされるケースが多いので存在感は強いと思います。

 

②に関しては、確かに普通の日常で『いなくてもよいのではないか』という錯覚に陥る事もある人もいるでしょう。

 

その為総合内科、救急科、総合診療科なんてのから検診、産業医とかまで敬遠されてしまうのかもしれません。

 

しかし何らかのトラブルや疑問が巻き起こった時に本領を発揮しますので、平均的な医療の質を向上させていくには①の科と②の科が互いに尊重し合って共存していくのが本来の理想なのです。

 

 

 

『専門技術』がなくて不安な事

 

まず、よく脅し文句として使用される、

 

『専門が無いと食いっぱぐれる』という概念ですが、

 

少なくとも文字通り食いっぱぐれている、要するに生活に困窮している医者を自分はまだ見た事がありません。

 

まあ食いっぱぐれている状態の医者が仮に存在したとして、勤務医の目につかない所に生息している可能性が高いのですが。(笑)

 

ただ医師免許を持っているという参入障壁がある限り、

 

医師が食いっぱぐれる事は理論上はあり得ないと思っています

 

確かに時代の流れとともにバイトの飽和やバイトのコストパフォーマンスの低下、ひいては常勤先の減少は見込まれるでしょう。

 

しかし収入の減少は基本的には医療界全体の問題であり、かつ専門性、質が高い医療をする事と収入は相関しない事は、臨床医をしていれば体感として明らかではないでしょうか。

 

金銭的にはそもそも臨床現場でそれぞれの科に進みキャリアアップを進めていくというレールにのった勤務医である限りはどこの科へいこうと大差ないのです。

 

それよりは需要と供給のバランスの問題を押さえておいた方が良いでしょう。

 

市場観点で見れば、よりマニアックな領域になればなる程対象となる患者さんの数は減っていきます。

 

その中で非常に高度な技術を持っていた場合はそのニッチな市場を総取りできるかもしれません。日本中の患者を集められるかもしれません。

 

ただしそうでない、平均的な能力の医師に関しては、どう考えても需要が少ない業界より需要の多い業界に身をおいておいた方が仕事を獲得できるチャンスは多いです。

 

そして繰り返しになりますが、それは専門性ややりがいには相関しないのです。

 

まずは、進路に迷っている研修医の皆さんは、その漠然とくる『不安』がどこから来るものなのか自己分析し、掘り下げる必要があります。

 

 

まとめ

若い医師の中では進路に関して大いに悩まれている方も少なくないと思います。

 

今回は『専門』という言葉の定義から、若い皆さんが不安に思っているであろう事をできるだけ言語化する大切さを伝えてみました。

 

結構思うのが、自分としては迷っている研修医たちの中で『集団心理』的な問題で葛藤している人が少なくないだろうという事です。

 

Aさんが馬鹿にしてた科に行くのがなんだかみっともない』とか、『みんな何かしらの分野の専門科になるのに、自分は感染症科なんてふわっとした科で大丈夫なんだろうか...』とか。

 

...大丈夫です。気にしないでください。

 

基本的に医者は自分の科でない業界の話は門外漢です。

 

働いた事のない病院や、働いた事のない科の悪口の信ぴょう性なんて、とっても薄いものだと思いませんか?

 

色んな意見を言う人がいるかもしれませんが、必要ない医者は存在しないという事は絶対的な事実で、その点に関しては自分が自信を持って保証させて頂きます。

 

勿論周囲の人間の言葉に耳を傾ける事は大事です。

 

でも傾けるだけで終わらせずに、自分の中で解釈して、取捨選択して、最終的には自分の意見にして下さい。

 

今回はある視点から見た意見を述べただけなので、基本的には自分の内面と向き合って、自分がしたい事、不安な事を掘り下げて、言語化していくのが、将来後悔しない為に今できる事ではないでしょうか。

 

そうやって決心した選択ならどう転んでも後悔する必要はないと思います。

 

研修医の皆さんがこの先後悔のない医者人生を送れる事を祈っております。

 

 

 

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