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医学生向け・転職|医師が病院のマッチングでチェックすべき6つのポイント!!

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こんにちは、メノーです。

医師、とりわけ研修医にとって最初に働く病院はそこで出会う患者さん、医師との交流の中でその後の長い医者人生の基礎となる考え方を形成する重要な場所です。初期研修の病院選びは念入りに選びましょう。

今の医学生の情報源としては口コミは勿論の事、民間医局の『レジナビ』、という初期研修病院を大きな会場に一同に集め、医学生が病院に研修システムを聞いて回るというイベントを主にしている学生が多いと思います。

確かにこのイベントも一度に色んな病院の話が聞けるので使い方によっては有用なのですが、しかし何の考えもなしに行っても、『救急車は年間何台で、三次救急で、研修医同士仲が良くて〜』なんてどこの病院でも同じような話をされて結局病院の違いがわからず疲弊して帰路に着く、なんて事になりかねません。

今回はマッチングでの病院選びについてチェックするべき重要なポイントを紹介していこうと思います。

ちなみにいわゆる『ブランド病院』の価値については下記の記事で紹介してあります。

>>>医師のマッチングにおいてのブランド病院の優位性とは?

①病院の規模について

病院の規模は来る患者層から病院内での医師同士のコミュニケーションまで様々な事象に影響を及ぼします。大規模にも中小規模にもそれぞれの良さがあるので自分に合った方を選択しましょう。

まず大規模な病院のメリットについてです。『病院が大きい』事自体にメリットはあまりないかもしれませんが、大規模な病院はマンパワーが充実していたり3次救急まで幅広く受け入れている所が多く、結果として対応できる患者の幅が広い事が多いです。前いた大規模病院では集中治療も常勤の医師がいてしっかり対応できていました。

その点小~中規模病院では科が完全に揃っていなかったり、人員不足だったりである種の患者への対応が困難な場合があります。

大規模病院のデメリットとしては、病院が広すぎ、医師の数が多すぎる為科が違うと顔を合わせた事の無い医者同士がピッチで電話するだけ、カルテ上で交流するだけといった事がよく起きます。その為コンサルトがしずらかったり融通が利かないなど仕事上一種やり辛さを感じる時はあります。

一方大規模病院と比較すると小〜中規模な病院では各科の医者同士が互いの顔を認識している状態で円滑に仕事が進むし、困った事があった時互いに聞きやすいというメリットがあります。

②ローテートする科をどこまで自由に選択できるか

ローテートの組み方は病院選びでの1つのポイントです。幅広く色んな事を学びたいという研修医にとってはあまり関係無いかもしれませんが、例えば消化器外科3ヶ月を義務的にローテしなければいけない病院もあり、マイナー志望の研修医にとってはそこまでしなくても良いのかもしれません。

一方である程度の最低ラインの義務をクリアさえすればその他のローテートを完全に自分で選択できる病院もあります。例えば2年目で志望科をしっかり学びたい!といった人にはこちらの方が良いかもしれませんね。

『忙しく過ごした方が良い医者になれる』、『自分を追い込んだ方が優れた医者になれる』といった考えはいずれも思考停止でそこに連関性はありません。自分が今後必要になる知識や環境を具体的にイメージして、それらを獲得できるだけの病院を選びましょう。

③救急の体制について

 

 

研修医が最も活躍する場はやはり救急外来です。

『レジナビ』では2次救急か3次救急かなんて話しか出ないかもしれませんが、そこのくくりだけではわからない部分もあります。

例えば2次救急で心肺停止は来るだの来ないだの、神経内科が病院に無いので痙攣の患者が見れないだの、といった話です。

学生が研修医から聞き出すのは少しレベルが高い話かもしれませんが『具体的にはどんな患者が来るのですか?』といった質問をして比較してみると良いかもしれません。

あとは救急車の台数がよく話題になりますが、それを何人体制で回しているかで話は全く変わってきますよね。

例えば救急者年間8000台を受け入れている病院でも、救急医が夜中2人にて研修医1年目、2年目が2人ずつの合計6人ならなんとか救急を回せるでしょう。

一方救急年間5000台で、救急医でない内科当番1人、研修医1年目2年目1人ずつの計3人なら意外にキツいかもしれません。

一人頭どれだけの負担になるのかという事を明確に聞くようにしましょう。

④自分の『ロールモデル』となる医者がいるか

世の中には尊敬できるお医者さんは数多くいますが、その人達から学び、エッセンスを吸収するにはやはり直に接触できる環境を整えるのが重要です。いくらネットで他人と繋がりやすい環境になったとはいえ、ロールモデルとなる人と直接話し、所作を観察する事でしか得られない情報があります。

研修医の2年間は仕事を通して自分の理想とする医者像が学生の時とは変動して思い悩みながら成長していくものです。

その中で医学的知識の量でも、患者さんへの対応でも、アフター5の過ごし方でも(笑)、なんでも良いので自分のロールモデルとなる存在が1人いると目標を頭の中で具体的にしやすいかと思います。

⑤自分の志望科の医局はどこの大学か

このポイントは見落とされがちな気がします。

フリーランスで働く医者が増えたとはいえ、やはり医局に帰属する医者は依然多いです。

もし志望科が決まっているのであれば入局したい医局を決め、そこから派遣されている病院で初期研修から働く事をお勧めします。

というのも後期研修で新しい病院に移ろうとするとまた病院見学、面接、といった手間が生じますし、その病院の内部の研修医が自分の志望科に進むとした場合枠が埋まってしまう場合があるからです。

近年はシーリング制度で入局人数の制限も厳しくなっています。

そして何よりせっかく初期研修で構築した人間関係を振り出しに戻して1から構築するのはかなり労力がいるので、基本的には後期研修で残る事を想定した病院選びが良いかと思います。

⑥分離された研修医室があるかどうか

この点もかなり重要です(笑)。

上級医達が集まる医局と別個の研修医室があるかどうかなのですが、こちらは意見が分かれる所だと思います。

分離された研修医室に否定的な意見としては研修医だけで存在できる空間を作ってしまうとその空間でサボりやすくなってしますし、医局が一緒の方が上とのコミュニケーションがとれるのではないかという意見が存在するからです。大いにうなづける意見だと思います。

しかし自分の意見としては分離された研修医室があるべきだと考えています。というのもやはり研修医と上級医の立場、環境、世代には雲泥の差があり、同じ職種なのですが同じ職種でないような関係だと思っています。

よって研修医には毒抜きできる場所を作ってあげる事で落ち込んだ研修医がいた時のメンタル面でのカバーや愚痴、また研修医同士の関係性をより強固にするといった意味合いの方が強いのではないかな、と考えております。

まあこちらは意見の分かれる所ですので個人個人の感覚にお任せします。

が、シンプルに分離された研修医室があった方がやっぱり楽しいんじゃないですかね(笑)

おわりに

結論としては誰にでも合う病院なんて勿論あるわけないです。あるわけないんですが闇雲に病院見学にいって違いがよくわからず帰ってくるなんて事がないよう、明確にどのポイントの違いを見たいのか、目的意識を持っておくという点は徹底して欲しいと思います。

なので今回の記事であげた項目以外にも看護学校が隣にあって若い看護師が多いかとか、寮は看護師の寮の隣かとか(笑)人それぞれ重視するポイントが違うと思うのでそれぞれよく考えて初期研修病院を選ぶようにして下さいね!!


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