現役の内科医です。
今回は、研修医向けの『内科ローテ中に読むべきおススメ医学書TOP4』という内容でお話していきたいと思います。
内科の各科をローテーションした時に学ぶべき事としては、
勿論専門科の決まってない人はその科で働く事をイメージして、自分の将来を考える事も重要ですが、
研修医全員にとって重要な事として、
『どのタイミングで専門科に振らなければいけないのか』
に関する判断をできるだけ正確にできるようになる事が重要になってきます。
救急でも、内科外来でもこの判断が大事になってきます。
消化器内科ローテ中であれば、消化器内科にならない事が確定している研修医が内視鏡をひたすら眺めていても正直殆ど意味がありません。
それよりも消化器系感染症の治療方法や、どういう症例が緊急内視鏡の適応となるのか把握しておく事の方が明らかに研修医以降の仕事で役に立ちます。
そしておそらく各内科をローテートしていると、
という事を感じると思います。
消化器『内科』医であり循環器『内科』医なのです。消化器科や循環器科なら専門分野の事だけ勉強すれば良いのかもしれませんが、内科医と名乗る以上横断的な診療はある程度できるようになる必要があります。
内科医のお話をしましたが、外科医でも然りです。
なのでまず内科ローテが始まる前に総合的にまとまっている、汎用性の高い総合内科的ニュアンスの本を用意しておく事が必要かと思います。
それでは早速紹介していきますね。
また、おススメの医学書TOP100を下の記事で紹介してありますので、良かったらそちらも読んでみて下さいね。
おすすめ医学書ランキング100冊【保存版・研修医もベテランも】
研修医が読むべき内科マニュアル本TOP4!
という訳で、まあ自分も色々な参考書をよんできたのですが、
✓網羅的な記載があり、一冊の中で検索しやすく、読みやすいもの
✓できるだけ多くの論文が引用されている本
✓異常に対しての対応がわかりやすくフローチャートなどで実践に移しやすい
この3ポイントでTOP4を選んでみました。
それでは参りましょう。
1位:ホスピタリストのための内科診療フローチャート
1位:ホスピタリストのための内科診療フローチャート
1位はホスピタリストのための内科診断フローチャートです。
この本の1位の理由としては、
ポイント
✓引用論文量が従来の内科本の中ではかなり多い!
✓確かな情報をもとに『どう動いたら良いのか』をカテゴリ毎にフローチャート形式でまとめており即実践で使える!
といった所になります。
著者の高岸先生は1日3本論文を読まれているとの事で、この圧倒的な論文を引用した本をほぼ一人で執筆したと考えると恐ろしいですね(笑)
だいたい困った時ははこの本を参考に、フローチャートの通りに動けば大きく外す事はないだろうなと思っています。
よくある疾患から結構レアな病気まで網羅されているので、これ1冊あるだけでかなり研修の支えになると思います。
2位:ジェネラリストのための内科診断リファレンス
2位:ジェネラリストのための内科診断リファレンス
2位はジェネラリストのための内科診断リファレンスです。
研修医のレポート作成に最も良く使われていると言われている本なんですね。
ジャンル別に情報がまとまっており、文献の量も膨大です。
だいたいわからない事があった時にこの本を開くと答えが載っている事が多かったです。
少し古くなってしまい情報の取り扱いには少々の注意が必要ですが、それでも信頼できる情報が詰まっていると思います。
おそらくそのうち改訂版が出されるかもしれませんね。
3位:内科病棟・ERトラブルシューティング
3位:内科病棟・ERトラブルシューティング
3位は内科病棟・ERトラブルシューティングです。
病棟の急変や救急で威力を発揮する本です。
この本のフローチャートに沿って対応をすればよっぽど間違った事はしないで済むのではないでしょうか。
持ち運びには不便ですが、自分は写真を撮ってevernoteに保存して使ってました。
アンチョコ本を白衣に入れておくのも良いですが、写真撮ってスマホ整理してevernoteに入れておくのもかなり有用だと思います。
こちらの本は救急のおススメ本としても紹介させてもらってます。
救急ローテ中に読むべきおすすめ本5選【研修医・レジデント向け】
4位:ジェネラリストのための内科外来マニュアル
4位:ジェネラリストのための内科外来マニュアル
4位はジェネラリストのための内科外来マニュアルです。
この本は内科外来、救急のウォークイン外来の時にそばにあると安心できる本です(笑)
鑑別に迷った時にある程度網羅的に鑑別が記載してあるので便利ですね。
鑑別疾患の所だけ写真とってevernoteに貼っておくとかも便利かもしれません。
まとめ
最後におすすめ本についてまとめておきます。
ポイント
✓1位:ホスピタリストのための内科診療フローチャート⇒じっくり治療の選択・病態について考えたいとき+対応に困った時読むべし!
✓2位:ジェネラリストのための内科診断リファレンス⇒じっくり疾患の知識や鑑別を考えたい時に読むべし!
✓3位:内科病棟・ERトラブルシューティング⇒病棟・ERでの急変時の対応を知る為に読むべし!
✓4位:ジェネラリストのための内科外来マニュアル⇒内科外来・救急外来のお供にするべし!
といった所になります。
日本語の参考書を読んである程度すると思うようになる事なんですけど、
『この本に書いてある事本当に現代で正しいの?』
って感じる事がいつかあると思います。
緻密に考えて、患者さんと向き合っている研修医ほどこういった疑問にぶつかる事になります。
医学書も玉石混合で、筆者の経験則に基づいて論文なんて一本も参考にしてないものもあるので、そういった本を参考にすると実臨床で実際に上級医がやっている事との乖離があるかもしれません。
逆も同様で、エビデンスに基づいた本で勉強していると、知識のアップデート不足な上級医のずさんな内科管理が浮き彫りになってくる事もあります。
最終的には論文を読んで、そこに書いてある情報を自分で吟味するしかないので、
医学書は盲信はしないで欲しいとは思います。
ただ、あらゆる事で論文を調べていたら一生が終わってしまうので(笑)、
こういった信頼できる、内科の網羅的な医学書を用いて研修医のうちはコスパよく勉強して下さい。
当サイトでは、他にもおススメの医学書を紹介しておりますので是非参考にしてみて下さいね。
おすすめ医学書ランキング100冊【保存版・研修医もベテランも】