医者の仕事の効率化 研修医向け記事

研修医向け|救急外来ではまず患者さんを『カテゴライズ』しよう!

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こんにちは、メノーです。

2019年度の医師国家試験の合格発表も終わり、合格者の皆さんは晴れて4月から医者としての第一歩を踏み出す事になります。

研修医が最も活躍する場所は『救急外来』です。

その救急外来で研修医が最も最低のラインとしてできなければならない事は

『助かる患者を最悪の転機にしない』事です。

ここをまず自信を持って(100%安心して帰宅させるというのはどんな救急医にとっても難しい事ですが、その場の判断としてベストに近い選択をできるようにするという意味です)できるようにしましょう。

 

イメージして下さい。救急外来で救急車の音が近づいてくる、音が止まる、救急隊の人達が患者さんを運んでくる...

その際にまずしなければならない『思考法』についてお話します。

(一番最初に実際にまずしなければいけないのはもちろんABCの確認ですが...そこは医学書を読んで勉強して下さいね!どんな救急の本にも最初に必ず書いてると思います。)

 

『主訴』+患者の『主症状』+身体所見=プロブレムを明確に!

 

 

働きだすとわかる事だと思いますが、救急隊などの電話対応の際には、

『〇〇さん、〇歳、〇性、主訴は~~~』という紋切り型で救急隊は話し出します。

 

『主訴』という言葉はその字面通り『患者が主として訴えている』内容であり、そこからストーリーを広げていく事になります。

 

ただし、『訴える事のできない状態の患者』に関しては話は別です。

例えば認知症の高齢者の患者さんや、意識障害の患者さんですね。

 

まず患者さんが来院した段階で、主訴+訴えられない患者さん関しては『主症状』に関して症候学上の分類をして下さい。

 

要するに、『患者がどのカテゴリーの症候に属するのかを判断する力』を身につけて欲しいと思います。

 

カテゴリー分けができるようになったら、身体所見をしっかりとって裏付けをしましょう

結局この初期段階で身体所見をしっかりとる事で舵を切る方向を誤る事なく最短距離で診断に向かっていけるのです。

詳しくは下記の記事で解説しています。

 

身体所見は時代遅れ?身体所見をとる意味とは?

 

 

このポイントに関して意外と難しいのが『主訴』が無い患者さんです。

 

わかりづらいと思うので代表例を挙げると、頭痛、胸痛、腹痛といった疼痛関連のものに関しては『患者さんの主観での訴え』なので主訴ですよね。この場合は定義など考える必要もなく言葉通り受け取れば良いです。

 

では『失神』という言葉の定義はご存知ですか?『意識障害』の定義は?

...意外と答えられない人が多いと思います。

 

きちんとした各症候の定義付けを理解していないと、最初の段階から舵をあらぬ方向にきってしまう事になりかねません。医師同士のコミュニケーションでも齟齬が生じる場合があります。

 

救急を勉強する時の本には『けいれんの対応』だとか『失神の患者が来たら?』などといった症候に応じた対応が羅列されている本が多いです。

 

裏を返せば『症候』を掴む=定義を把握し、身体所見で裏付けをとって患者さんをカテゴライズする事ができればあとは本に書いてある通りに診察を実行すれば診断にたどり着けるケースが『多い』でのです。

 

救急外来に関してはルーティンワーク的な『側面』があるという事を理解しておいて下さい。(勿論それで上手くいかない場合もあるから救急専門医はいる訳ですが)

 

ただし当然1人の患者に対して1つのカテゴリーが1対1対応している訳ではないので、特に高齢者では複合的な要因が絡んでいるケースが多いので、1つ原因を見つけたからといって喜んで思考停止しないように肝に命じておきましょう。

 

まずは患者さんを『カテゴライズ』する事で救急での第一歩を踏みだせると思いますので是非意識するようにして下さいね。

 

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