現役の内科医です。
今回は、循環器内科のおススメ本TOP6という内容でお話をしていきます。
私は循環器内科医ではないので勿論カテーテル治療を行ったりする訳ではありませんが、高齢者診療に携わる限り心不全とは切っても切れない関係ですし、救急などで心臓超音波や心電図読影の知識は必ず必要です。
今回は主に研修医向けにおススメ本を紹介していきます。
ちなみに心電図のおススメ本は下の記事で紹介しているので良かったらそちらも参考にして下さいね。
心電図のおすすめ本TOP6!!【研修医・レジデント向け】
循環器内科は内科の中で最もバリエーションに富んでいる科といっても過言ではないでしょう。
身体所見では心音の聴診は奥深いですし、心臓超音波の技量から心電図の読影も一筋縄ではいきません。
何より心不全治療の選択薬はエビデンスは勿論生理学に基づいた判断が必要になってくる事もあります。
その中で研修医はまず、循環器内科という『森』を全体に俯瞰できるようになる事からはじめましょう。
学生の時と実際にレジデントとして循環器内科をローテーションするのとでは全く感覚が違います。まずは、
という事実を理解するのが最初のステップです。
それから心エコー、抗不整脈薬といった『木』の部分を一つずつ勉強していきましょう。
慌てる事はありませんが、できるだけコストパフォーマンスよく正しい手順で勉強していく為に、とっつきやすい6冊を選んでみたので良かったら参考にしてみてください。
それでは参りましょう。
また、おススメの医学書TOP100を下の記事で紹介してありますので、良かったらそちらも読んでみて下さいね。
おすすめ医学書ランキング100冊【保存版・研修医もベテランも】
1位:極論で語る 循環器内科
1位:極論で語る 循環器内科
1位は極論で語る循環器内科です。
この本が1位の理由としては、
メモ
✓心不全や感染性心内膜炎からカテーテル、PCIの話まで循環器内科ローテをする前に循環器内科を俯瞰するという意味では最適!
✓読み物としてサクサク読めて、その気になれば1日で読める!
といった所になります。
(全然極論じゃない)のでおなじみの極論シリーズですね。
この本は循環器内科の知識を広く、そこまで深くなくといった具合に手広く網羅されています。
かといって浅すぎず、カテーテルでの血管内超音波検査(IVUS)の話だったり弁膜症、心筋症の話まで盛りだくさんです。
まだ【循環器内科】っていう森のイメージが具体的についてない人にとっては、その森がイメージできるようになると枝葉の話が頭に入ってきやすくなると思うので、最初に読むのをおススメします!
2位:レジデントのための循環器教室
2位:レジデントのための循環器教室
2位はレジデントのための循環器教室ですね。
この本は一言でいうと、
『質の高い病院で質の高い上級医と一緒に症例をカンファレンスして、色々教えてもらいながら循環器内科のローテーションをしている疑似体験ができる』本です。
登場人物とか、現場での議論の感じとか、エビデンスの紹介の仕方とかがものすごく現場感があります。
本の中でも書かれていますが、研修医だけでなく、万人に役に立つし、楽しめる本だと思います。
その分少し論文の引用量は少ないかもしれませんが、この本に関してはそれよりも臨場感を優先したのだと思いますし、こと循環器内科においては臨場感は非常に重要な感覚だと思います。
いくら知識が身についても現場で使えなければ意味がないですからね。
こんな病院でローテートできる研修医羨ましいなあ..とか思っちゃいました笑
3位 POC心エコー ただいま診断中!
3位 POC心エコー ただいま診断中!
3位はPOC心エコー ただいま診断中です。
ってなると思うんですけど、『Point Of Care』の略です。
わかりやすく説明すると、
細かい検査室でのエコーじゃなくて、救急外来などでまず判断しなくてはいけない重要な部分(心のう水貯留、壁運動低下、右室負荷など)を手早く判断する為にルーティーン化されたエコーの事なんです。
優先順位をつけて判断するのってこと研修医の皆さんにとって、救急で働く医師にとって必要な能力ですよね。
というか、非専門医にとっての心エコーってそこまで詳しく見れるようになる必要はないですから、この本に書いてある事を徹底的にできるようになる事が重要だと思います。
筆者は名門東京ベイ浦安の循環器内科の先生で、アウトプットや初学者に視点を下げるのが上手な先生だなという印象を持ちました。
ショックや、呼吸苦などの各項目ごとにフローチャートで何をやったら良いか説明書きが添付されていて、実際の症例や動画での心エコーの確認までできる盛りだくさんな本です。
心エコーだけの本なんで3位になりましたが、ぶっちゃけめちゃくちゃおススメです。
4位:Hospitalist 心不全特集(初級者はレジデントノートの心不全特集から)
4位:Hospitalist 心不全特集(初級者はレジデントノートの心不全特集から)
4位は心不全関連の本です。
心不全は高齢者医療に携わる人間にとっては切っても切り離せない病気なので、ちゃんと研修医のうちに理解しておきましょう。
って人はまずレジデントノートの心不全特集を読みましょう。
レジデントノートってのは研修医向け雑誌で月1で発刊されています。
値段も安いですし、初学者向けに内容をめちゃくちゃ要点だけに絞ってかかれているので導入には良いです。
ただレジデントノートだけでは足りないので、
って人はホスピタリストの心不全特集がおススメです。
ホスピタリストも雑誌ですが、中級者~上級者向けですね。
論文の引用量もめっちゃ多いですし、HFrEFやHFpEFの扱い方、心不全の原因や緩和ケアまで奥深い内容が詰まってます。
ボリュームは多いですが、かいつまんででも良いので研修医の後半過ぎたあたりで読んでみると良いと思います。
5位:レジデントのための心臓聴診法
5位:レジデントのための心臓聴診法
5位はレジデントのための心臓聴診法です。
正直本自体のページ数は短いのですが少し難易度が高いので、聴診・身体所見に興味のある人向けの本です。
必須ではないと思いますが、読めば日々の診療での身体所見の取り方や、聴診が楽しくなったり、診療のヒントになる事は増えるかなと思います。
6位:循環器治療薬ファイル
6位:循環器治療薬ファイル
6位は循環器治療薬ファイルです。
循環器で使う抗不整脈薬をはじめとした薬剤の具体的な使い方について書かれています。
少し文章が多いですが、実際の臨床での使う用法・用量なども具体的ですし、困った時に読む辞書的な使い方もありだと思います。
自分は少し筆者の主観の要素が含まれている部分もあると感じたので参考程度にはしていますが、それでもたまに読み返す事はあります。
まとめ
以上が循環器内科の本おススメランキングになります。
最後にランキングをざっくりまとめておきますね。
ポイント
✓1位:極論で語る循環器内科は読み物として読める。循環器初学者にとって循環器内科全体を俯瞰できるまず最初に読むべき本!
✓2位:レジデントのための循環器教室は、循環器内科で重要な臨場感を本でも残しながら、現場での知識の使い方を実感できる本!
✓3位:POC心エコーただいま診断中は、非循環器にとって必要十分な心エコーの技術を学べる本!フローチャートや動画もついており現場でもすぐ活かせる!
✓4位:心不全関連の本は、初学者はレジデントノートから手をつけていきましょう!慣れてきたらホスピタリストで心不全の深い所を覗いてみましょう!
✓5位:レジデントのための心臓聴診法は、循環器関連の身体所見の奥深い取り方をマスターしたい人にはおススメ!
✓6位:循環器治療薬ファイルは、辞書代わりにも使える循環器内科で使う薬の実際の使い方をまとめた、薬のまとめ本!
といった所になります。
循環器内科は勉強する範囲が幅広いし、重要だし大変な分野にはなりますが、
読みやすい本もいっぱいあるので手のつけやすい所から頑張っていきましょう!
当サイトでは、他にもおススメの医学書を紹介しておりますので是非参考にしてみて下さいね。
おすすめ医学書ランキング100冊【保存版・研修医もベテランも】