こんにちは、メノーです。
普通の勤務医をしながら、副業で月50万円くらい稼いでいます。
今回は『仕事を辞めたい研修医に、辞める前に伝えておきたい事』についてお話していきたいと思います。
日本の臨床研修医のメンタルヘルス問題は極めて深刻なのはご存知の方も多いでしょう。
巷では研修医の3割がうつ状態であるとも言われています。
無事医師国家試験に合格した医学生は、多くの場合は『初期臨床研修医』として市中病院や、大学病院で研修を受ける事になります。
この場合最も怖いのが『ドロップアウト』、要するに2年間の研修医生活を様々な理由で修了できずに、病院に来れなくなってしまう状態の事ですね。
張り切ってハイパー病院に就職したものの、自分のキャパシティを超える業務量を与えられたり、上司からのパワハラまがいの詰問の多さ、病院の緊張感に耐えかねてしまうといった所が主な理由とみていいでしょう。
身体的な問題の場合もありますが多くは精神的なものです。
そして、ドロップアウト、またはドロップアウト寸前の場合には、なかなか冷静な判断がとれない場合があるのが恐ろしい所です。
今回は、こういった研修の途中で精神が不安定になり、研修を降りようか迷いっている研修医向けの記事です。
こういった場合に、まず自分の考えをいきなりぶっちゃけてしまうのですが、
『できる限り、初期臨床研修医は修了した方が良い』と考えています。
ただ逆に、初期臨床研修医さえ修了してしまえばそこからはどんな道を歩んでも良いとさえも思っています。
そのくらい、研修医を修了する事は人生におけるリスクヘッジになるのです。
では、今から研修医を修了する事のメリットを整理し、その上で病院を辞めたい研修医に対する具体的な改善策をお伝えしていきます。
研修医を修了する事のメリット
まず初期研修医の『研修を修了する事のメリット』についてお話していきます。
研修医を修了するかどうかに関しては、専門医を取るかどうかとか、学位を取るかどうかとかそういうレベルの差ではなく医者として如実に扱いが違ってくると思っておいて下さい。
正直、医者として扱われるかどうかというレベルです。
医師免許を持って、医者として働く手段は多様性に富んでいるのですが、研修医が修了できないと、全く仕事が0とは言いませんがその幅広さは失われてしまうでしょう。
次はより具体的なメリットについてお話していきます。
臨床研修修了証をゲットできる
まず物質的な要素として、『臨床研修修了証』をゲットできるというのがなかなか大きなメリットです。
例えば、
とかって思う研修医がいたとします。
研修期間中はバイト禁止ですが、研修医をやめてしまえばもしかしたらバイト可能かも...という発想でしょうか。
しかし彼が今後バイト医になろうと思うなら、研修医を修了していないと厳しいです。
多くの医療機関では、バイトであろうと勤務前に『臨床研修修了証』を提示させています。
研修医を途中で辞めてしまうと、バイト生活の希望すら絶たれてしまう可能性があるのです。
研修医さえ修了できればバイト医にはなれるが、ドロップアウトしたらバイト医の選択肢が絶たれかねない
医者としての信用性においての『担保』となる
これはやや抽象的ですが、『研修を修了している事が医者としての信用性の担保になる』というメリットがあります。
要するに、世の中のほとんどの医者が研修に関しては修了しています。
その上で考えると、マイノリティに対する世間の目というのはどうしても厳しくならざるを得ないのです。
研修を修了せず途中で降りるという選択をするという事は、仮に医者としての実力がしっかり身についていたとしてもある程度色眼鏡で見られる可能性がある事は理解しておいて下さい。
では病院を辞めたい研修医はどうしたら良い?
ここまで、研修医を修了する事の重要性、メリットについて話してきました。
でもそんな事はわかっているって研修医の方もいるかもしれません。
安心して下さい。このブログは現状を打破する為に具体的な代替策、改善案を考えるブログです。
不安を煽るだけ煽って放置するような事は絶対にしません。
かと言って、『我慢して今の病院に行け』と言う気もありません。
次の項目から、病院を辞めたい研修医が次にとるべき作戦を考えていきましょう。
初期研修医にも『転職』という手段はある
まず知っておいて欲しいのが、初期研修医にも『転職』という選択肢が残されているという事です。
自分の知り合いの例では、ブランド病院に初期研修医として入職し、ブラックな勤務体系に耐えかねて途中で研修先を切り替え、少しゆるめの病院に転職してしっかり今でも勤務医を続けているという人がいます。
今働いている病院で上手くいっていなくても、環境さえ変えれば普通に仕事ができる人のパターンはいくらでもあります。諦めないで下さい。
転職先の候補としては、
『自分の学年で研修医を雇っていて、かつフルマッチングしていない病院』です。
ただやはり研修医の転職となると少し特殊になるので、交渉が必要になる場合があります。
転職先の探し方の選択肢としては、
①仲介業者に依頼する
②今の病院の上級医に相談する
③自力で他の病院に連絡して交渉する
といった所があります。
まずはは仲介業者に依頼して、エージェントに話を聞いてみると良いと思います。
というのも、エージェントは転職のプロなので、病院の外から見た医者の市場価値、転職の選択肢を教えてくれるからなんですね。
研修医といえど医師免許を持っている人間には大きな市場価値があるものです。
自分も可能な範囲で調べてみたのですが、一般的な転職エージェントでも、『初期研修医』の転職を紹介しているサイトは少ないですが、
自分がよく利用するエージェントに問い合わせてみた所
『基本的には初期研修医の転職は斡旋していないが、各病院とのパイプは形成されているので交渉する事自体は可能』
との返答でした。
なので自分の市場価値を知るためにも一度仲介業者に打診してみるのが良いでしょう。
おススメの転職エージェントは下の記事でまとめてあります。
現役フリーランスドクターがおすすめする、登録すべき医師転職/非常勤エージェント厳選5社
次に可能であれば、今働いている病院の上級医に相談してみてみましょう。
上級医が他の病院とのパイプを持っていたり、各病院の情報を持っていたりすれば交渉がスムーズになります。
また、病院を辞めたい状況の中でなかなか上司に相談できないという場合は、最悪自分で探しましょう。
基本的には医学生時代に病院見学のメールを送ったのと同様の手続きで、気になる病院に連絡をとってみると良いです。
この際、相手方にとってもややイレギュラーな相談内容になるかとは思いますので、ダメ元な気持ちであまり期待せずチャレンジしましょう。ダメならどんどん他の病院を探せばよいです。
仲介業者を利用するデメリットとしては、転職先の勤務の内情までは知らない事が多いので、やはり誰か相談できる上級医がいると良いのは変わらないですね。
最悪、研修を『中断』しましょう
もしどうしても転職先が見つからず、もう勤務を続けられる精神状態ではなくなってしまったり、身体的に続けられなくなったりした時でも、『投げ出してしまう』事だけは絶対にしないようにしましょう。
研修医は0か100かでやりきるか、ギブアップするかに2択ではなく、研修を『中断する』という選択をする事ができます。
絶対に辞めるという選択をしないで下さい。
繰り替えしになりますが、初期研修医を修了するだけで、バイトなどでも選択できる仕事が圧倒的に増えます。
逆に言えば初期研修医さえ修了してしまえば、日本最大のゴールドライセンスである医師免許のパワーをしっかり生かして、余裕で生活していく事ができます。
研修を中断する事で一度ダメージを負った自分の精神を回復させ、次へのアクションを起こせるようゆっくり休みましょう。
中断した段階ではきっともう働く事なんてできない、自分は医者にはなれないなんてネガティブな考えが頭の中を渦巻いているかもしれません。
ただ、『今の自分は、冷静な判断ができる状態ではない』という一点だけを自覚して、もう考える事がやめてとにかく休むようにしてください。
まとめ
今回は病院を辞めたい研修医に向けたメッセージを書いてみました。
ポイントをまとめると、
ポイント
✓研修医は基本的には修了しない手はない。医師免許の恩恵を受けられなくなる可能性あり
✓研修先を途中で変更する事は可能。一般的ではないが諦めずに交渉を!
✓最終手段として研修は自己中断する事。『正常な状態』に戻るまで先の事は考えなくてOK!
といった所になります。
折角苦労して、苦労してとった医師免許を活用できない状態にしてしまう事は非常に勿体ない事です。
研修医さえ終えてしまえば逃げ道はいくらでも残されています。
大事な事なので何度も言いますが絶対に諦めないで下さい。
あらゆる手段を使ってなんとか修了までこぎつけましょう。
また何か不明な部分があればいつでもお問い合わせくださいね。
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