現役の内科医をしております。
今回は研修医・医学生向けに『手技』が学べるおすすめ医学書TOP3という内容でお話していきたいと思います。
特に研修医にとっては、入職したての時は、
てな感じで誰でも不安に思うものです。
しかし、誰しも未経験の事に対しては不安に思うものなので、過度に不安になりすぎる必要はありません。
やはり手技など技術系の事は実際に見て、人から教えてもらうのが一番ですが、ある程度頭で理解しておかないと心配でしょうし、何より教えてもらうのに予習はしておかないと失礼にあたるでしょう。
その為に効率良く学べる手技の本をランキング形式で発表していきたいと思います。
まず、自分が思う手技の本には2ポイントあって、
①結局手を動かしてナンボなのでやたら文章やロジックが多いものよりも、絵や写真の量が多く視覚的にわかりやすいもの!
②かといって特徴がないとイメージしにくい、またイメージに残りにくいので、頭に残り実践で生かしやすいもの!
この2ポイントを満たす良質な手技の医学書を紹介していきたいと思います。
手技に難解な論理やエビデンスは必要なく(多少必要ですが)、
とにかく患者さん+施行者が『安全』に『遂行』できさえすればそれでいいのです。
その為に質の良い医学書でコスパよく勉強していきましょうね。
それでは参りましょう。
また、おススメの医学書TOP100を下の記事で紹介してありますので、良かったらそちらも読んでみて下さいね。
おすすめ医学書ランキング100冊!2020年度版!【保存版・研修医もベテランも】
1位:『森皆ねじ子』シリーズ
1位:『森皆ねじ子』シリーズ
手技のおススメ医学書、第1位は『森皆ねじ子』シリーズです。
この筆者のねじ子先生という方は医師兼漫画家の先生で、自分で書いたイラストをもとに本を執筆されてるんですね。
イラストで手技の本ってどうなんだろう...と自分も思っていたのですが読んでみるとこれがめちゃくちゃわかりやすい。
なんでかなって考えてみたんですけど、医者の手技ってほとんどが『直接見えない所に間接的に色んな手段をつかってアプローチする手技』なんですよね。
静脈穿刺も静脈は直接見えなくて手で触れたり超音波を使って行うし、尿道バルーンの挿入も尿道の解剖ははっきり見えず、前立腺でつっかかってしまう事もしばしばです。
要するに写真で伝えられる要素は限定されてくるんですね。
その点ねじ子先生の本ではしっかり血管、筋肉などの外からみえない部分がしっかり描写されていて理解しやすいんです。
そして絵や文字が可愛いのも読みやすさに拍車をかけていますね。
そういった理由で1位にさせてもらいました。
3冊あるのですが具体的には、
ポイント
ねじ子のヒミツ手技 1st lesson...採血、気管挿管、CV、骨髄穿刺、硬膜外麻酔など
⇒病棟で行う手技が多い!
ねじ子のヒミツ手技2nd lesson...バイタル測定、心肺蘇生、骨折、脱臼
⇒救急で行う手技が多い!
ねじ子のヒミツ手技#...手洗い、縫合、輸血、人工呼吸器
⇒ICU、手術室で行う手技が多い!
無理やり分類するとこんな感じなんですが、正直巻ごとのまとまりがあんまないです(笑)
そこが少しマイナスなんですが、わかりやすさはNo.1なのでとりあえず少なくとも1巻と2巻は読んでおくとスムーズに仕事に入れるんじゃないかな?と思います。
ずっと使う手技が多いので研修医の間、さらにはその先も手技につまったら見返してみて下さい。
2位:診察と手技がみえる
2位:診察と手技がみえる
手技のおススメ医学書第2位は、『診察と手技がみえる』です。
医学生の間で結構有名だと思うんですけど、『病気がみえる』の診察・手技版ですね。
医学生の時購入この本を購入された研修医の人はまずこれを読めば良いと思いますよ。
この本の最大のセールスポイントはマジで写真が多いです。
全体の7割くらいを写真と、写真で足りない部分をイラストで埋めつくされています。
ねじ子シリーズとの相違点はそこが大きいですね。
写真も欲しい!って人は手技みえの方が良いでしょう。
普通の医学書だとちょっとやりすぎだろって思うんですけど、手技に関しては視覚的に印象を捉えて、頭にイメージをつけるのが1番重要だと思うので1番わかりやすい表現だと思うんですね。
って思うかもしれませんが、
正直必要な手技の『知識』に関しては医学生も研修医も大差ないです。違いは実際にやるかやらないか。
というか、A-line、CVやルンバールのやり方も網羅されているので、そのへんは医学生には少しオーバーワークなわけで、結局
『医学生で買っちゃって、そのまま研修医以降も使える』
っていう使い方ができる珍しい本です。
1と2と2冊あるんですけど、
1巻⇒手洗い・縫合・心肺蘇生くらいで後は診察方法
2巻⇒静脈/動脈穿刺、CV、ルンバールなど研修医で必要な知識
て内容なのでこと手技に関しては2巻だけでもよいかなと。
立場に分けたおススメの読み方としては、
ポイント
医学生⇒1巻をOSCE対策±2巻を実習用or研修医前の知識として読む
研修医⇒1巻はどちらでも。2巻を実際の手技対策で読む
て感じが良いでしょう。
手技は治療の知識のようにそこまで年数がたったから知識が風化するものでもないので、医学生時代から勉強しておいて損はないと思います。
3位:研修医になったら必ずこの手技を身につけてください。
3位:研修医になったら必ずこの手技を身につけてください。
手技のおススメ本3位は『研修医になったら必ずこの手技を身につけてください。』です。
この本がおススメな対象としては、
『研修医なる直前の医学生』~『研修医なりたての人』
て感じですね。
この本の特徴として『手技というカテゴリで非常に雑多な領域を取り上げている』っていう印象があります。
一般的に手技の本ていうと、静脈穿刺とか、ルンバールとかのやり方を詳細にわかりやすく記載するって目的なんですけど、
この本は、さらに救急領域のエコー(FASTとか)、除細動とかまで領域が広がっているんですね。
それが良いとか悪いとかいう話ではなくて、どちらかというと手技のテクニックよりは病院でやる手技を手広く拾って紹介する本なんです。なので、
っていう医学生、またはひよっこ研修医が病院での作業仕事の全体像を俯瞰する目的で読むにあたってはまあまあ有用な本だと思います。
まとめ
では、最後に今回おススメした本についてまとめておきます。
ポイント
✓1位:『森皆ねじ子』シリーズは漫画テイストのイラストで統一感があり、かつ実際に見えない所まで詳しい描写があり手技のイメージを超つけやすい本!
✓2位:『診察と手技がみえる』は写真+イラストで視覚的に理解ができる本!とにかく写真が多い!医学生~研修医におススメ!
✓3位:『研修医になったら必ずこの手技を身に着けて下さい。』は研修医直前~なりたての人が病院での作業仕事の全体像を俯瞰するのに超有用な本!
てな感じですね。
無論、手技は本とにらめっこしていても身に尽きませんので、サクッと今回説明した本で知識+イメージをつけてどんどん実践でトライしていきましょう!!
当サイトでは、他にもおススメの医学書を紹介しておりますので是非参考にしてみて下さいね。
おすすめ医学書ランキング100冊!2020年度版!【保存版・研修医もベテランも】