医者の転職/非常勤

『医者を辞めたい』人への3つの進言

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メノー
こんにちは、メノー(@MedifixMenno)です。

普通の勤務医をしながら副業で月50万円程度稼いでいます。

 

今回は『医者を辞めたい人への進言』というテーマでお話していこうと思います。

 

医者は数ある職業の中でも極めて労働に負荷がかかる部類のものです。

 

なので、

 

勤務医さん
もう医者まじムリ、しんどい、辞めたい....

 

 

って人ってまあまあ多いと思うんですよね。

 

 

結論から言うと、『本当の意味』で辞めたいなら全然辞めちゃえば良いと思います。

 

ただ、その前に3点、考えておいて欲しい事があります。

 

自分の事を理解する上でこのポイントが非常に重要になってきます。

 

それは、

 

なんで辞めたいのか

どこまで辞めるか

辞めた時のリスク

 

この3点を明確に整理しておく必要があると思うんですよね。

 

その上で自分が『本当の意味』で辞めたいのか判断していった方が良いでしょう。

 

時として人間は追い込まれた時に冷静が判断ができない事があります。

 

その場の感情で大事な人生の選択を決定して後悔の無いように、

 

今回は、『医者を辞めたい人』にとっての自分との向き合い方、その上でどういった行動を選択していくべきかについて一緒に考えていきたいと思います。

 

 

自分も医者を辞めた訳ではありませんが、前の職場の環境に耐えかねて一回転職しているんですよ。

 

そのおかげで今ではゆっくり、快適な勤務医ライフを送る事ができています。

 

 

ただ転職する前には様々な葛藤をし、入念に自己分析をした上で選んだ選択でした。

 

自分が転職をした理由に関しては、以下の記事で説明しています。

 

ごく普通の医者が転職をした、4つの理由

 

 

絶対に、職を変える前には冷静な頭での判断が必要です。感情で動いて後悔しないようにしましょう。

 

では、その過程についてお伝えしていこうと思います。

 

 

①『なぜ、医者を辞めたいのか』について考えよう

 

まず最初に、『あなたは、なぜ医者を辞めたいのか』というポイントについて明文化しておきましょう。

 

 

医者という仕事は、特に臨床医においては働く病院、選択する科によっては非常に重労働を強いられるケースがあります。

 

 

そして人間の生死に関わる仕事なので、世の中の仕事の中で最も責任が重いものと言っても過言ではないでしょう。

 

 

その上現代では医療訴訟の問題に関しても多くの事案があり、真面目に働いていた医者が一つのミスで何千万円という賠償金を支払わされているケースも珍しくありません。

 

 

また日本は高齢者の数が年々増加しており、認知症の強い高齢者とのコミュニケーションに疲弊してしまうケースもしばしば見受けられます。

 

こういった状況の中で日夜せっせと働く医者達は疲弊していくのです。

 

この現状を踏まえて主に医者が『医者を辞めたい』と思う理由をまとめると、

 

✓激務で休息時間がとれない

✓命を預かる責任の重さに耐えられない

✓訴訟リスクが高い

✓高齢者など、患者とのコミュニケーションに疲弊してしまった

 

といった所が挙げられます。

 

そして自分が医者を辞めたい理由が整理できたら、その理由に対処できる策はないかを考えていきましょう。

 

例えば、

✓激務が原因⇒仲介業者により良い環境の病院を探してもらう

✓責任に耐えられない⇒慢性期の病院や自由診療など、急変が少なく生命の危険が少ない環境に行く

✓高齢者との関わりに疲弊した⇒小児科や産婦人科に転科する

 

といった具合ですね。

 

勤務医さん
そんなんわかってるわ。それができないから困ってるんじゃ!

 

という反論が生まれそうですが、本当にそうでしょうか?

 

私は日本では医師免許はどんな資格にも勝るゴールドライセンスだと思っています。

 

ろくなスキルがなくても時給1万円のバイトができるし、働き方だって、働く場所だって、働く時間だって自由に選択する事ができます。

 

一般の企業に入社したらそうはいきませんよ。

 

あれこれと理由をつけて転職しない人はいますが、そういった人達の大半は、学生から医者になるまでの間に潜在的に増長したプライドが原因なんじゃないかと思っています。

 

周囲にどう思われるのか気にしたり、変な見栄を張ったりせず、自分の本当にしたい事、欲しいものを優先させましょう。

 

医者を辞めたい理由を洗い出し、その理由を全部排除した職場を探そう!その際くだらないプライドは捨てる事!

 

 

 

②医者を『どこまで辞めたいのか』について考えよう

 

 

 

次に、『医者を辞める』という言葉の定義について考えていきましょう。

 

要するに、

 

この場合の『医者』という単語にどこまでの意味があるのか考える必要があるという事です。

 

広い意味から順番に考えてみると、

 

.医師免許を使用した仕事全般

 

.臨床医(または自分の科)

 

.激務の環境

 

といった具合に分類されますね。

 

この分類で自分がどこに当てはまるのか考えてみましょう。

 

その上で、前項で考えた『医者を辞めたい理由』をあてはめてより自己分析を明確なものにしていきましょう。

 

完全に『医者』を辞めたい人へ

 

本当の意味で医者を辞めたくなってしまった人ですね。

 

①の医師免許を使った仕事がしたくないと思う主な理由としては、

 

✓医者の仕事がつまらなくなったから他の仕事がしたい

 

✓何かの失敗を起こして、もう医者と名乗りたくなくなった

 

といった所が想定されます。

 

いずれにしても医者の仕事全般に面白みを見いだせなくなったり、医者である自分を否定するような状態で仕事を続けていくのは、幸福度を上げるという観点から見るとあまり宜しくありませんね。

 

折角取得した医師免許を使った仕事がしたくないという感情になる人はそこまで多くはないのかなと思いますので、自己分析して本当に『医者』自体が辞めたいという感情になった人に限って医者を辞める事を勧めたいと思います。

 

医者がつまらないから辞める人を止めはしませんし、本当に本当に自問自答した上で医者と名乗れなくなった人を引き留めるのは困難でしょう。

 

『臨床医』を辞めたくなった人へ

 

②の臨床医を辞めたくなってしまった人に関してですが、

 

臨床医を辞めたくなる理由としては、

 

✓選択した科があまり向いていなかった

✓高齢者医療に嫌気がさした

✓責任の重さに耐えられなくなった

 

といった所が多いでしょうか。

 

ただ、まるっきり医者そのものを辞めたくなっている訳ではないので、この場合は、

 

勤務医さん
もう高齢者医療に関わったり、慌ただしい環境で仕事をするのは嫌だけれど、せっかく苦労して獲得した医師免許は使って何か仕事をしたい

 

と潜在的に考えている人が多いのではないでしょうか。

 

この場合は解決策としての選択肢は豊富です。

 

前項でも説明したように、日本で医師免許を持っていればできる仕事のバリエーションは非常に富んでいます。

 

臨床の中で転科(例えば、高齢者とのコミュニケーションに疲弊したなら病理医、放射線科などへの転科)しても良いですし、

 

その他でしたら、

 

✓検診医

✓産業医

✓美容医

✓保健医

...と様々です。

 

他には医療系ライターなんかも特殊な選択肢としてありますね。

 

などなど、現代では医者が臨床医以外でも多様な選択肢がある事は何となく誰もが潜在意識では理解しているのではないでしょうか。

 

例えばですが、バイトについての以下の記事なんかを読んで頂ければ、選択肢の多様性に気づいてもらえるんじゃないかと思います。

 

バイト大好き医者が、医者のバイトを8つに分類してみた!

 

 

また、バイトを探す際のバイト探しサイトの、自分の体験談に基づいたランキングも作ってあるので良かったら参考にして下さい。

 

医師のスポットバイト仲介サイトおすすめランキングTOP3!!!【保存版】

 

 

『ブラック病院』を辞めたくなった人へ

 

最後に、③の激務の環境に耐えられなった=ブラック病院に耐えられなくなった人ですね。

 

個人的にはこの『激務に疲弊した』という層が最も多いような気がしていますね

 

この場合は『労働環境』がとにかく問題なので、解決策としては

今と同じような内容で負荷を下げた職場を仲介業者に探してもらう

の一択になるとは思います。

 

どこの仲介業者にあたったらわからない人は、当サイトで自分が転職した経験からおススメの仲介業者を紹介しているので参考にしてみて下さい。

 

https://ishanofukugyou.com/tenshoku-ranking/

 

 

しかし特に要注意なのが、激務の影響で精神的に不安定な状態になり、正常な思考ができない場合があるという事、このポイントが障壁になってくるでしょう。

 

自分で精神的に不安定なのが自覚できている場合は(自覚できない場合も多いのですが)、より時間をかけて、慎重に選択をしていきましょう。

 

自分の『医者を辞めたい度』に合わせて次とるべき選択が変わってくる。まずは自分のポジションを明確にしよう

 

 

 

医者を辞める上でネックになる事を整理しよう

 

最後に、医者を辞めるにあたって『ネックになりそうな問題』というのは洗いざらい整理しておきましょう。

 

例えば、『医局の問題』ですね。

 

選択した科によっては、現代のシステムでは医局の制度に乗らないと専門医を取得できない事があります。

 

以前の記事でも専門医をとるべきか否かについては自分の意見は書いたのですが、このポイントに関しては個人の価値観による所が大きいと思います。

 

✓【専門医】専門医取得の必要性について【要らなくないですか?】

 

ただ医局に属さなくても専門医を取得できるルートもあるようですし、何なら以前の記事でも書いたように専門医を取得しないという選択肢も大アリだと思っています。

 

ネックになるポイントを洗い出して、その問題点に関する情報収集を行うのも同じくらい重要になってきます。

 

過剰な責任感は気にせず捨ててしまおう!!

 

医者を辞めるか決めかねている人の中で、

 

ものすごーく真面目な人だと、

 

勤務医さん
目の前の困っている患者さんから逃げていいのかな?

 

とかすごい悩んだりするんですよね。

 

めちゃくちゃ素晴らしい心構えです。

 

めちゃくちゃ素晴らしいんですけど、

 

あなたが真っ先に優先すべきは『自分の健康』です。

 

あなたのような素晴らしい方が医者を辞める事で困る患者さんはきっといると思います。

 

でもそれはあなたの責任ではなく、医者がまともな環境で働く事のできない仕組みを作っている側の責任です。

 

あなたがそんな所まで責任を背負い込む必要は全くないのです。

 

 

逆に真摯に医療に取り組む事が日本のクソな医療システムを支えちゃってるので、全然辞めちゃえば良いと思います。

 

自分が辞める事が日本の医療の新しいルールを形成するくらいに思えるくらいになりましょう。

 

 

結局、今の日本の医療システムって医者の善意だけで成り立っているんですよね。

 

 

でもそれで負荷がかかるのはシステムを作っている側の人間ではなくて臨床の最前線で働いている人達なので。

 

しかしそういう事実を理解していても、

 

勤務医さん
みんなが辞めちゃったら医療崩壊が..

 

っていう超絶善人のお医者さん、結構いるんですよね...

 

本当に医者が辞めまくって医療崩壊したら、必ず制度の見直しや報酬の見直しが行われます。

 

というか医療崩壊が起こるまで現行の医療システムはきっと変わらない、医者の善意に甘えるのだろうと私はみています。

 

高齢者に選択権がある今の日本社会でその方針は継続され続けるのでしょう。

 

だからこそ、若い医師達は自分を大事にした選択をして欲しいと強く思っているのです。

 

確かに臨床を辞める人が増えたら、残った人達の負担が増えるでしょう。

 

しかし、残った人達はその負荷が増えた状態でどういう選択をするか決めてもらうしかないのです。

 

結局それぞれ自分の人生ですから、自分で決めるしかありません。

 

自分の今いる環境に不平不満を言っても無駄です。

 

結局は自分が『選択』してその職場にいるというだけ、どういう選択をした結果なのかというだけの話なので。

 

自己決定できる医者が増えれば、日本の医療のルールも変わらざるを得ないのではないかと思っています。

 

自分は自分の責務だけを全うすべし。国や病院の責任は全て無視!

 

 

まとめ

今回は、医者を辞めたいと考えている人に向けての自分なりのメッセージと、辞めるまでの思考過程、戦略についてお話していきました。

 

医者を辞めようと考えている人はこの記事を読んで、どんな選択になるにしても前に進むきっかけにしてもらえたら嬉しいなと思っています。

 

その上でもし転職について前向きに検討する段階になったならば、当サイトでは自分の転職経験から0から100までの臨床医向けの転職記事を書いてあるので、良かったら参考にしてみて下さい。

 

下の記事に当サイトの転職関連の記事が全てまとめてあります。

 

 

【保存版】医者の『転職』大全【全記事まとめ】

 

自分の人生なので自分を大事にして、やりたい事を明確にして先に進んでいきましょう!!

 

 

 

 

 

 

 

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