現役の内科医です。
今回は、『おすすめ医学書TOP100』というテーマでお話をしていきたいと思います。
タイトルの通り、内科医の私が今まで読んできた本の中から厳選した100冊を紹介していきます。
何故100冊かというと、区切りが良いという理由も勿論あるのですが、それ以上に自分が研修医をしていた時代に、
研修医の2年間で100冊くらいは読まないと十分な勉強量とは言えないだろう
と感じたからです。
この100冊という量はまだ医者になっていない学生さんなどからすると非常に多く感じるかもしれません。
しかし真面目に研修をしていたら、最初は慣れるので精いっぱいですが、慣れてくるうちにあれこれ細かい部分が気になってきます。
そしてしっかりやっている人なら気づいたら100冊くらい読んじゃってるもんだと思います(たぶん..(笑))
そして大事なポイントは、『読破することを目標にしない』という事です。
って意気込んでも挫折する人がいるのは目に見えていますし、何より究極的な目標はあなたの読んだ医学書の数を増やす事ではなく、あなたがより良い医者になる事です。
その本質を忘れないようにしてください。
辞書代わりに使う医学書もいくつかありますし、知ってる部分や重複する部分まで一字一句読む必要はありません。
勿論ローテーションの科の医学書を読むのも大事ですが、自分に足りない部分を常に意識しながら、弱点を埋めていく意識で医学書をクリアしていくと良いと思います。
当記事はそんなわけで特に研修医におススメですが、全医師に自分が勧められる医学書を厳選したつもりです。
自分はもともと読書量が多い方で、月に20冊程度の本を読んでまして、
正直今まで何百冊の医学書を読んだのか記憶にありませんが(購入したもの+人から借りたりも多いので... 購入したのは300冊くらいでしょうか)、それなりの信頼性は担保できると思います。
追加で、新書で良い本はたくさんでているので、2020年度に関しては各ジャンルごとに新書で良さそうな本は全部読んでからランキングをつけています。
情報を新しくする為にプラットフォームを開設して皆さんの意見を集める事も考えたのですが、そこはAmazonのレビューなどで代替可能と考えやめました。
自分の医学書の記事ではAmazonのレビューでは示せない、
✓そのカテゴリーにおいて学ぶべき『エッセンス』とは何か
✓その『エッセンス』を学ぶためにどんな医学書を選択すべきか
をできるだけはっきり言語化して、伝える努力を各ランキングの前にしてありますので、そこも是非読んで欲しいです。
というのも、『目的化してない努力(読書)』程コスパの悪いものはないからです。
きちんと何を学ぶのか明確にした上で医学書を読みましょう。
これから医学を勉強する人も、復習したい人も是非参考にして欲しいなと思っております。
それでは早速紹介していきます。
(まだ全然100冊分書けていませんが、新書を読みつつ各分野ごとに随時ランキングを作成、記事を追加していきますので少々お待ち下さい。)
研修医必読書(5冊)
研修医向け|医者になったらまず読むべき、基本を学ぶおすすめ本を5冊紹介!【レジデント】
どんなにやる気のない研修医でも、これは読んどいて欲しいっていう本を選びました(笑)
あと全部読みやすいです。寝転がって読めます。
内科関連・必須カテゴリの医学書
内科全般の医学書(4冊)
内科ローテ中に装備しておくべきおすすめ医学書TOP4!【研修医・レジデント向け】
辞書代わりに使用すると良い3冊ですね。
わかんない事があった時、この3冊のどれかに書いてある事が多いです。
研修医必読の中に入れませんでしたが、まあ必読ですね(笑)。
輸液・電解質の医学書(4冊)
【研修医向け】電解質・輸液のわかりやすいおすすめ医学書TOP4!
苦手な人が多い+わかりやすい医学書が少ないのが電解質・輸液の分野です。
この分野の重鎮は頭が良すぎて、視点を落とすのが苦手なのも一因かもしれませんが、とにかくわかりにくい。(笑)
そんな中で研修医にも理解のしやすい3冊を紹介してます。
何科にいこうが人間のミネラルバランスはささいな事で崩れます。
絶対に勉強しておいて下さいね。
抗菌薬の医学書(3冊)
【研修医向け】抗菌薬おすすめ本TOP3まとめ!!【はじめの一歩】
抗菌薬は医学生の時あまり勉強していないと、違う言語に出会った時のような意味の分からなさを感じると思います。
ぶっちゃけ自分が紹介してる3冊は超わかりやすいです。それでも抗菌薬の勉強は少し時間がかかると思っておいて下さい。
医者が始まってすぐ使う薬でもあるし、早めに勉強しておいた方が良い分野ですね。
感染症の医学書(4冊)
感染症のおすすめ本・マニュアルTOP3!!【研修医・レジデント向け教科書/参考書】
感染症は特に現代医学の中で重要視されていて、重点的な勉強が必要な分野です。
感染症は独特のロジックがあって慣れるのに時間がかかりますが、読みやすい本も多く出されているのでまず土台の『感染症を論理的に考える脳みそ』を作る為に本を読み込んでいきましょう。
画像診断の医学書(5冊)
画像診断のおすすめ本5選まとめ!【研修医・レジデント向け教科書/参考書】
画像診断の本は研修医にとってオーバーワークになりかねない本が多いので、研修医で必要な範囲を凝縮した本をピックアップしてあります。
画像はさっさと本読んで救急で画像読みまくれば勝手に読めるようになるので早めの勉強をおススメします。
心電図の医学書(6冊)
心電図のおすすめ本TOP6!!【研修医・レジデント向け】
心電図は6冊も読まなくて良いとは思いますが、時間がある人は読んでも全然良いと思います。
2枝ブロックとか3枝ブロックの失神患者を異常なしで帰宅させちゃったり、微妙なST変化に気づけなかったりと、歴の長い人でもちゃんと勉強していないと見落としが多いのが心電図です。
そんな感じで意外に長く医者をやっている人でも心電図読めてなかったりする+意外に知られてない知識も患者さんにとっては命取りになる事がある(心臓ですからね!!)ので、徹底的に勉強しておく事をおススメします。
病棟持ち歩き用のポケット内科医学書(3冊)
【アンチョコ本】持ち歩ける医学書TOP3!【医者全般向け】
病棟で困った時に役立つアンチョコ本も必携です。
極論慣れてしまえばどれも使いやすいのだと思いますが、各アンチョコごとに長所と短所がありますのでそれぞれポイントをまとめてみました。
是非各自の嗜好にあったアンチョコ本を携帯して病棟・救急などで役立てて下さい。
身体所見の医学書(2冊)
身体所見、おすすめ本これだけ2選!【研修医・レジデント向け】
身体所見に関しては、研修医の時しっかり勉強しておくかどうかで雲泥の差がつきます。
腹部の触診一つとっても奥が深いですし、もし将来検診のバイトをやる事になったら、高齢者の方の心雑音を拾ってあげてくださいね。
また中堅医師の皆さんも、厳選した2冊を紹介しているので是非参考にしてみて下さい。
内科【各科ごと】の医学書
循環器内科の医学書(7冊)
【研修医・レジデント向け】循環器内科おすすめ本・参考書ランキングTOP6!!【AS?PCI?】
循環器内科は内科の中でも心エコー、心不全の薬、聴診、AMIの緊急対応など幅広い知識が研修医にも求められます。
少し他の内科に比べて比重を重くして勉強しておく事をおススメします。
ただ今はめっちゃわかりやすくて面白い医学書が結構あるので、サクサク勉強は勧められるようなものをチョイスしました。
消化器内科の医学書(4冊)
消化器内科おすすめ本TOP3!!【研修医・レジデント向け】
消化器内科に関しては救急で消化器内科を呼ぶタイミングの判断から、致死的な緊急疾患の除外や診断は患者さんの予後を大きく左右するので正確な知識が求められます。
他にも抗菌薬の選択、他臓器と関連した病態生理など勉強していきましょう。
呼吸器内科の医学書(3冊)
呼吸器内科おすすめ本TOP3!!【研修医・レジデント向け医学書・参考書】
呼吸器内科はメジャー内科の内容にも関わらず、雰囲気で診断・治療をしてしまう人が多い印象です。
しかしちゃんと常用薬の使い分けや、細かい肺炎の違いなど勉強する内容は多い+出会う疾患の頻度も多いので当然マストな分野ですね。
『この3冊を読んでおけば大丈夫』という本を紹介してあるので参考にしてみて下さい。
神経内科の医学書(4冊)
神経内科おすすめ本TOP4!【研修医・レジデント向け教科書/参考書】
神経内科は初学者からはとっつきにくく、勉強しようと思っても挫折してしまう人が多いです。
なので読破しやすい、よりかみ砕かれた本から紹介してありますので、ランキングの順に読んでいけば神経内科の苦手意識は消えるかなと思います。
腎臓内科の医学書(3冊)
腎臓内科おすすめ本・参考書ランキングTOP3【研修医・レジデント向け】
腎臓内科は結構手を抜きがちな研修医多いんですけど、
透析患者さんめっちゃいますからね。そして急変しやすい。
透析に関しての最低限の知識と、腎臓内科の先生としっかり会話が成り立つレベルの知識は身に着けておくようにして下さいね。
AKIの定義の理解や、原因を探れるようになっておきましょう。
救急・外傷・手技関連の医学書
救急の医学書(5冊)
救急ローテ中に読むべきおすすめ本5選【研修医・レジデント向け】
救急に関しては難易度順に紹介してあります。
我ながら超バランスの良い5冊を揃えたなあ...と自画自賛してしまいます(笑)
救急って慣れてくるとなんとか回せる部分もあるんですけど、回せてる=自分が仕事ができてるって勘違いしてきちゃう人が多いんですね。
回せてるから患者さんを安全に帰宅させてるとは言えないです。
忙しい中でも冷静な頭で当直に臨めるようにしっかり勉強しておきましょう。
手技の医学書(6冊)
【研修医・医学生向け】手技のおすすめ医学書TOP3!【森皆 ネジ子?手技がみえる?】
手技に関しては勿論実践が第一ですが、事前にイメージできるようにしておくことも重要です。
またその為にはイラストや画像がふんだんに使われた医学書で視覚的に学ぶ事が必要なので、視覚的に吸収しやすい医学書を選びました。
整形外科の医学書(5冊)
整形外科おすすめ医学書ガイドラインTOP5!【研修医・レジデント向け】
内科医の立場から考えた、骨折の緊急性や救急対応をマスターする本、運動器疾患の診断を行う本を紹介してあります。
こと研修医にとっての整形外科の勉強に関しては非整形外科医の視点の方が役に立つ事が多いと思います。
何故かというと研修医にとって役立つ事は整形外科にコンサルトしたり、自分でシーネやバンドを巻いたり非整形外科医の視点で行う事が全てだからです。
完璧な対応をして整形外科医に繋げるようになりましょう。
おまけ
おススメの医学雑誌(4誌)
医者の勉強|研修医・医師が『購読』すべき医学書4選!
医学の情報は随時アップデートされますので、常に新しい情報に身をさらしておきましょう。
その為には毎月や2か月に1回くらいで発刊されている雑誌を読んでおくのも重要です。
自分がわりと読んでいるおススメの医学雑誌を紹介してあります。